【対象】未就学児(3〜5歳目安)
【こんな時に】雨の日に行ける

サイエンスミュージアムって、「とりあえず連れていけば、子どもは勝手に遊ぶ」わけじゃなかった。未就学児にはまだ難しいと諦めかけたこともあるねんけど、子どもの様子を観察するうちに私の考え方も成長して、長く付き合いたいと思える施設になったで。
結論|未就学児が科学を理解する場所ではなく、何年もかけて体験を積む場所だった
息子を初めてボストン・サイエンスミュージアムに連れて行ったのは1歳0か月の頃でした。
当時は展示内容を理解するどころか、歩くこともまだ不安定な時期です。館内を見渡した時の第一印象は、「展示は思ったより文字が多い」でした。
その後も何度も通いましたが、最初から順調だったわけではありません。1年近く行かなかった時期もありましたし、3歳前半には親として連れて行く理由が分からなくなった時期もありました。
振り返ると、成長を感じた展示は意外なほど地味でした。石を動かしたり、鼻に花粉を入れたり、鳥の餌やりを体験したり。そうした小さな体験が、少しずつ理解につながっていたように思います。
ボストン・サイエンスミュージアムは、未就学児が科学を理解する場所というより、何年もかけて体験を積み重ねる場所だと気づくまでの流れをこの記事では紹介します。
1歳|「数年後かな」と思った
息子を初めてサイエンスミュージアムに連れて行ったのは1歳0か月当時は、できたことがほとんどありませんでした。
アークティック・アドベンチャー(Arctic Adventure)の氷の壁に触ったり、エンジニアリング・デザイン・ワークショップ(Engineering Design Workshop)のボールを入れたり転がしたりするコーナーで遊んだりはできました。ただ、それ以外はほぼ何もできませんでした。

歩くこともまだ不安定で、展示内容を理解するのは当然難しい時期です。
館内を見渡した時の印象も、「未就学児には少し難しい施設」というものでした。文字を読む前提の展示が多く、当時の息子が楽しんでいる様子をあまり想像できませんでした。
そのため、正直なところ「次に来るのは数年後かな」と思っていました。実際、その後は1年近く行っていません。
2歳|展示より空間そのものを楽しんでいた
次に通い始めたのは2歳になってからでした。
当時はデイケア等に通っておらず、雨の日や冬の行き先を増やしたいと考えていました。友達との待ち合わせ場所としても使いやすく、長時間過ごせる施設だったことも理由の一つです。
この頃になると、できることは少し増えていました。
ボール転がしを繰り返したり、恐竜の足形を触ったり、アポロ司令船の中に入ったり。展示を理解していたというより、自分で触ったり動いたりできるものを楽しんでいました。
未就学児が実際にどの展示へ反応していたかは、以下の記事で詳しくまとめています。
ボストン・サイエンスミュージアム|未就学児はどんな展示に反応する?
ただ、今振り返ると、一番楽しんでいたのは展示ではなく空間そのものだったようにも思います。

アトリウム(Atrium)のサウンドステアーズ(Soundstair)はその代表でした。階段を上り下りするたびに音が鳴るため、何度も往復していました。


ボールが転がる巨大オブジェ、アーキメディアン・エクスコジテーション(Archimedean Excogitation)も毎回立ち寄る場所でした。2歳頃から毎回見ていましたが、4歳になった今でも長い時間眺めています。

友達と一緒に館内を歩くだけでも楽しそうでした。地下1階から2階まで安全に歩き回れる巨大な屋内空間というだけで十分価値があった時期だったと思います。
反対に、友達がいない日は楽しさが半減していました。展示が理解できていなかったため、何を見ればいいのか分からない様子もありました。
この頃のサイエンスミュージアムは、「科学館」というより、「友達と会えて歩き回れる場所」に近かったように思います。
3歳前半|親も行く理由を見失った
2歳の頃は何度も通っていましたが、3歳前半には少し足が遠のきました。友達が来られない状態で行った時の印象があまり良くなかったからです。
展示はまだ十分に理解できず、友達もいない。親としても「わざわざここまで来る理由があるのかな」と感じるようになっていました。実際、何度か行こうとして予定を立てたものの、当日になってやめたこともありました。
サイエンスミュージアムへの期待値と、実際に得られる体験が噛み合っていなかった時期だったと思います。
親が途中から変えたこと
2歳頃から何度も通うようになりましたが、最初の頃は「せっかく来たのだから何か学んでほしい」と考えていました。
恐竜展示では説明パネルを読み上げ、小さな生き物の展示ではどこにいるのかを一緒に探し、ボタンを押す展示では何が分かるのかを説明していました。アポロ司令船でも、宇宙船全体のどの部分なのかを何度も説明していました。ただ、ほとんど聞いていませんでした。
恐竜の説明より足形を触る方が面白い。宇宙開発の話より司令船の中に入りたい。ボタンを押す理由より、押した時の変化の方が気になる。そんな反応ばかりでした。
何度も通ううちに、説明すること自体に少し疲れてしまいました。そこで途中から考え方を変えました。
理解してほしい展示を見せるのではなく、反応した展示を見る。説明を聞かせるのではなく、興味を持った時だけ話す。
今振り返ると、その方が結果的にはうまくいったように思います。
3歳後半|理解と体験が少しずつつながり始めた
3歳後半になると、それまでとは反応の仕方が少し変わってきました。
サイエンス・イン・ザ・パーク(Science in the Park)の巨大な石を動かす展示も、その一つでした。以前はほとんど見向きもしませんでした。展示自体が地味ですし、石を動かすためのバーを握りながら親指でボタンを押す必要があり、身体的にもまだ難しかったのだと思います。

3歳後半になると、自分で操作できるようになりました。石と床の間に空気の層ができることを説明すると、「浮いているから動く」というようなことを自分の言葉で話していました。
展示自体はとてもシンプルです。ただ、その場では5分以上遊び続けていました。

エンジニアリング・デザイン・ワークショップのボール転がしも変化を感じた展示でした。以前はボールを転がすこと自体が目的でしたが、この頃になると、自分が転がしたい方向へ進むように調整していました。
どちらも派手な変化ではありません。ただ、同じ展示を見ていても、以前とは違う遊び方になっていることははっきり分かりました。
また、この頃になると友達がいなくても楽しめるようになっていました。2歳の頃は、友達が来ないと何を見ればいいのか分からない様子でした。3歳後半では、自分で行きたい場所を決めて館内を回っていました。
私自身も、「雨の日やプリスクールの休みに行ける場所」として、再び積極的に利用するようになりました。
説明を聞きながら参加できるようになった

反応が変わったのは展示だけではありませんでした。
印象に残っているのが、ホール・オブ・ヒューマン・ライフ(Hall of Human Life)横のエクスプロレーション・ハブ(Exploration Hub)です。

2歳9か月頃、スタッフの方が骨の模型や動物の写真を使いながら説明してくれる体験に参加しました。理解していたかどうかは分かりません。ただ、それまでなら途中で別の場所へ行ってしまいそうな内容を、最後まで参加していました。当時は「最後まで参加できた」ということ自体が意外でした。
3歳後半になると、こうしたスタッフ主導の体験へ自分から参加する場面も増えました。

顕微鏡を使った体験では、普段テレビや本でしか見たことがない道具を実際に触ることができました。未就学児が高性能な顕微鏡を触る機会は滅多にありません。

チャールズ・リバー・ギャラリー(Charles River Gallery)近くで行われていた鳥の餌やり体験も、変化を感じた出来事でした。
鳥のくちばしに見立てた道具を使いながら、スタッフの説明を聞いていました。以前なら体験すること自体が目的だったと思いますが、この時は「鳥が餌を食べる」という状況をイメージしながら参加しているようでした。
うまく道具を使えない場面もありましたが、以前のようにすぐ諦めることはありませんでした。
説明を聞いて、体験して、自分なりに理解する。そんな流れが少しずつ成立し始めていました。
鼻の展示で初めて見えた変化

一番印象に残っているのは、ホール・オブ・ヒューマン・ライフにある巨大な鼻の展示です。
実はこの展示を最初に見つけたのは息子でした。私は存在に気付いていませんでした。
花粉に見立てたボールを鼻の中に入れると、「ハックション」という音とともにボールが飛び出します。その日は15分ほど遊び続け、数週間後に再び来館した時も同じ展示で10分ほど遊んでいました。
それまでサイエンスミュージアムについて具体的な話をすることはほとんどありませんでした。友達に会えたことや、その日楽しかったことを話すことはあっても、「この展示が好き」という形で話したことはありませんでした。
ところがこの時は、家に帰ってからミュージアムに来ていなかった父親に展示の内容を説明していました。鼻に花粉を入れると、くしゃみが出て花粉が飛び出してくる。そんな内容を話していたのを覚えています。
さらに、その後しばらく「あの鼻で遊びたい」と何度も言うようになりました。それまでサイエンスミュージアムへ行きたい理由を具体的に言ったことはありませんでした。突然だったので何の話をしているのか分からず、何度も聞き返したほどです。
今振り返ると、展示の内容そのものよりも、自分で見つけて、自分で繰り返し遊び、家に帰ってからも話していたことが印象に残っています。何度も通っていた施設でしたが、「連れて来ていた意味があったのかもしれない」と初めて思えた出来事でもありました。
3歳後半でも難しかったもの
3歳後半になると、以前より楽しめる展示は確実に増えました。ただ、すべての体験を楽しめるようになったわけではありません。
その代表がライトニングショー(Lightning Show)でした。

普段見ることのない規模の放電実験を見られるのは貴重な体験です。ただ、音量が大きく、暗い空間で進行するため、未就学児には負担が大きいと感じました。
息子も途中までは見ていましたが、最後の見せ場に入る前には帰りたがっていました。結果的に最後まで見ましたが、最も迫力のある場面でかなり怖い思いをさせてしまったと思います。
まとめ|何年もかけて体験を積み重ねる場所だった
初めて訪れた1歳の頃は、正直なところ数年後に来る場所だと思っていました。実際にその後は1年近く行っていません。
2歳になると楽しめることは増えました。ただ、展示を理解していたというより、友達と歩き回ったり、音の鳴る階段で遊んだり、館内で過ごすこと自体を楽しんでいました。
3歳前半には、親として連れて行く理由が分からなくなった時期もありました。友達がいないと楽しさは半減し、予定を立てても当日行くのをやめたこともあります。
それでも振り返ると、成長を感じた場面は意外なほど地味でした。石を動かしたり、鼻に花粉を入れたり、鳥の餌やりを体験したり。そうした小さな体験が、少しずつ理解につながっていたように思います。
ボストン・サイエンスミュージアムは、未就学児が科学を理解する場所というより、何年もかけて体験を積み重ねる場所でした。
サイエンスミュージアムの館内設備や回り方については、以下の記事にまとめています
ボストン・サイエンスミュージアム|未就学児連れで初めて行く時の回り方
未就学児がどのような展示に反応しやすいかについては、以下の記事にまとめています
ボストン・サイエンスミュージアム|未就学児はどんな展示に反応する?
基本情報
【施設名】
Museum of Science
【住所】
1 Science Park, Boston, MA 02114
【アクセス】
Green Line Science Park / West End駅から徒歩数分
【駐車場】
あり
【ロッカー】
あり
【公式サイト】
https://www.mos.org/
